函館市長 工藤 壽樹 様
日本共産党函館地区委員会
委 員 長 高橋 佳大
日本共産党函館市議団
団 長 市戸 ゆたか
(公印省略)
2015年度 函館市予算編成ならびに市政執行についての要望
2014年12月の衆議院選挙では、自民党は議席を減らしましたが、自・公あわせて引き続き圧倒的多数の議席を確保しました。暴走する安倍政権は、選挙結果を国民の白紙委任を受けたとみなし、選挙後も「集団的自衛権の行使」のための法整備、秘密保護法の実施、原発の再稼働・新設の推進、消費税10%への引き上げなど平和と安全を脅かし、また国民生活破壊の諸政策を推し進めようとしています。
私たち日本共産党は、自民党政治に対する明確な対案を掲げ、今回の選挙では8議席から21議席に躍進することができました。国会の場で新たに獲得した議案提案権などを駆使し、国民の期待に応え、暴走する安倍政権の政治にストップを掛けるため奮闘するとともに、国民との共同の闘いをいっそう発展させていく決意を固めています。
こうした情勢下で、地方政治の分野でも安倍政権の暴走をストップさせ、景気の回復と雇用の確保および環境整備、安心して暮らせる地域づくりを進めたいと考えています。
特に子どもたちや高齢者、障害のある方々が函館で豊かに、平和に、安全に住み続けていくことができることを望み、函館市としてぜひ実現していただきたい項目、および国や北海道に要望していただきたい項目をまとめました。
十分検討をいただき、2015年度で予算化して下さるよう要望いたします。
【要求項目】
1、原発および放射性物質の測定について
①大間原発の建設中止を求め、建設差し止めの仮処分を検討すること。
②川内、高浜、泊原発等の再稼働をさせないよう国や電力会社に要請すること。
③ 福島第一原発の事故後、原子炉の状況、汚染の実態、周辺自治体の実情などについて丁寧に市民に周知すること。
④ 福島第一原発の事故による放射能汚染が特に海洋に拡大していることが懸念されるので、海産物の放射性物質検査を国や北海道任せでなく、市独自で行うこと。
⑤市立函館保健所が行っている放射性物質の検査の収去検査を拡大すること。
2、自然エネルギーへの転換
① 函館市として原発に依存しない再生可能エネルギー推進計画等の作成を早急に検討すること。計画には、大企業中心でなく、地場産業を生かし地産地消で進め、雇用対策なども盛り込み作成すること。
②今後建設予定の公共建築物に太陽光パネルや小規模風力などの設置を進めること。
③太陽光や小規模風力などを活用し、クリスマスファンタジーの電球やイルミネーションなど、できることから自然エネルギ―を利用すること。
3 東日本大震災、福島第一原発事故被災者、避難者への対応と防災対策
①
福島県および福島県以外から当市に自主避難されている方々の実態を把握し民間団体と協力し支援を強化すること。
②
被災者、避難者に対する市営住宅の貸与の再延長の要請や、雇用対策、相談を継続すること。
③
活火山である恵山について過去の歴史を調査し、駒ケ岳と同様の防災対策を検討すること。
④
学校再編に伴い避難所指定されている学校に代わる新たな避難所を検討すること。
⑤
避難所における要支援者、女性避難者への対策を重視し具体化すること。
4 北海道新幹線開業に伴う施策
①
函館・青森間について、相互の市民が気軽に交流できるよう割引切符などをJR北海道に対して求めること。
②
五稜郭駅のバリアフリー化の調査などの整備をJR北海道に求めること。
③
観光ボランティアの育成をさらに強化し函館市内の観光客に喜ばれる観光案内を充実させること。
5、暮らしとまちづくり
①
函館バスの停留所の上屋・椅子等の整備を進めること。特に付近に市有地がある場合は早急に検討すること。(例 鍛神小学校前バス停がある鍛神小学校敷地内にベンチと待合所の設置)をすすめること。
②
市民から評判の良くないパトカーを模したデザインの路線バスのデザインを「観光都市函館をめざす」点からも、見直すように事業者に要請すること。
③
市民からの要望の強い市電の湯の川終点周辺に公衆トイレを、民間任せでなく行政主導で改めて検討すること。
④
路線バスの路線を分かりやすく、利便性のある運行本数について、バス路線再編計画を反映させて検討すること。
⑤
バス路線の改廃・変更について、生活交通協議会や町会への理解を得るだけでなく、利用者の声を丁寧に聞き、要望を反映できるようよう事業者に申し入れること。
⑥
中心市街地活性化計画に、市民要望の強いフォーラムや会議などが開催できる施設の設置などを検討すること。
⑦
函館市の低い投票率の対策として、高齢者や若者が気軽に投票できるよう商業施設・大学なども含め投票所の新設を検討すること。
⑧
視覚障がい者向けの点字の選挙公報を北海道選挙管理委員会に対して要望すること。
⑨
住宅補助、冬期加算の削減など、生活保護基準の引き下げにより、多くの市民に影響を及ぼす危険性があります。生活保護基準の引き下げを中止するよう国へ働きかけること。また生活保護適正化ホットラインは直ちに中止すること。
⑩
依然として、全道主要都市中トップクラスにある高い国保料を引き下げるため、国や北海道に交付金の増額を要請すること。また、病気が重症化しないよう予防対策を強めるなどにより医療費を圧縮し、国保会計の黒字化を進めると同時に、保険料引き下げるため、一般会計からの繰り入れを図ること。
⑪
国保の保険料減免基準を拡大し、所得の激減、病気、倒産などの緊急時に活用できる制度として見直すこと。
⑫
資格証明書や短期保険証の発行の発行数の削減、一方的な差押えを中止し、話し合い、理解と納得に基づく納付に努力すること。保険料の分納期間の拡大。法律にある緩和措置、徴収の猶予・換価猶予・滞納処分の執行停止などを被保険者に周知し、実施すること。
⑬
省エネと経済性から施設も含め全庁的にLEDに切り替えること。また町会所有の街路灯について、積極的にLED切り替えを進めている町会の要望に応じ補助金を増額すること。
⑭
住民要求が出されている臨空工業団地近隣の東山町、人口が増加している北美原、石川町、桔梗地域の郵便局設置について、市として日本郵便へ要望すること。
⑮
現在保存文書の保管庫として使用されている市営五稜郭改良住宅の旧さくら保育園のスペースは、交通至便の場所でもあるため生活利便施設等のテナント入居などを考えるなど市の収入増につながる利用を考えること。
⑯
公衆浴場のバリアフリー化について、市としても積極的に支援すること。
⑰
市民からの要望が多い合同墓を行政として具体的に検討すること。
⑱
既存の街区公園等について、少子高齢化など地域の環境の変化に応じ、多くの住民が利用できるよう再整備の計画をすすめること。
⑲
市内の公園の遊具改修や点検を強め安全管理に徹すること。
⑳
五稜郭公園の石垣崩落について早急に修復すること。
21
利用者数の多い道立道南四季の杜公園までの平日バス運行やデマンド方式導入など工夫すること。また北海道に対し、冬期間の利用について、例えば歩くスキーコースなどを整備し、大会等競技会が開催できるよう要請すると同時に函館市としても積極的に進めること。
22
新外環状線の赤川インター開通と合わせて、道立道南四季の杜公園までの案内板などの設置を進め、市外からの来園者の利便性を向上させること。
6、市営住宅の改善
①
風呂のない市営住宅には、せめてシャワーの設置を検討すること。
②
特定目的市営住宅は、風呂とエレベーターのあるところで募集すること。
③
上湯川地域の公衆浴場の設置について、住民要望も聞き、行政主導で支援し、もう1ケ所増やすこと。(2ケ所にする)
④
市営住宅を建て替えるときは、入居者が孤立しないよう、現在できている入居者間のコミュニティを維持するよう努力すること。
⑤
老朽化した市営住宅の手すり設置、ドアの取り換え、通路の整備、住宅の窓の木枠をサッシに交換するなど環境整備の改善のため予算を増やすこと。
⑥
入居希望者の多い市営住宅の空部屋の改修を進め、多数の希望者の要望に応じること。
⑦
高齢化に伴いエレベーターのない市営住宅の高層階の居住者は、灯油運搬に労力と経済的負担が多くその解決のためにオイルサーバー設置が急がれます。長寿命化計画で具体化されましたが、最低でも計画通り進めること。計画が長期になっている箇所については予算を確保し、耐震化も含め計画を前倒しで進めること。
7、ごみ問題と産廃処理施設
(一般廃棄物)
①
過去に大幅手数料の引き上げがされたごみ手数料の値上げについて、改めて検証し手数料値下げについて検討すること。
(産業廃棄物)
②
函館市廃棄物処理施設生活環境影響調査専門委員会が希望している専門委員会によるチェック体制を継続して行うこと。
とくに専門委員会の許可するにあたっての審議結果の報告書にある7項目について、稼働後専門委員が配慮されているかチェックする必要があり、問題点があればその是正を行うこと。
③
施設の立地に伴う周辺地域の生活環境の変化を見極めるための行政検査を行うこと。
④
法律に基づく情報公開がされているのか、その指導を強めること。
⑤
市全体の産業廃棄物が市の処理施設も含めスムーズに実行されているのか検証すること。新しい処分場での処理が順調に営業されているのか。その実績を市民に報告すること。
8、雇用対策
①
人的要素の大きい民間への委託契約で、最低制限価格などを導入し低率での落札を防止しているが、清掃や学校調理業務などの委託労働者の賃金は依然として最低賃金に近い低い水準です。官製ワーキングプアとなっている職場の賃金、労働環境の整備に行政が責任を持って取り組むこと。
②
野田市、川崎市など他都市で実施されている公契約条例の市として行っている調査結果を公表し、実現のための問題点などを明らかにすること。
③
貧困と格差の拡大、非正規労働者が全国では2000万人突破と言われている情勢下、働きやすい環境整備をめざし、労働課を充実させ、函館市の労働実態について調査、研究すること。
9、中小零細企業対策
①
平成26年6月27日成立した「小規模企業振興基本法」にある地域での仕事起こし、地域経済の振興策を函館市として具体化すること。
②
住宅リフォーム補助制度の条件緩和と予算の増額を図ると同時に業者・市民にとって利用しやすい制度に改善すること。
③
以前に制度としてあった無担保・無保証人融資制度の復活と資金繰り円滑化借り換え融資制度を創設すること。
④
商店版住宅リフォーム制度を創設するため制度の検討をすること。
⑤
函館市の中小企業振興基本条例を生かすためには、何よりも地元業者の声を聞き、要望に沿って対策をすすめる必要があります。中小零細企業・商店、関係団体、学識経験者などの懇談会の回数を増やし、要望等を実現するよう努力すること。
10、子ども子育て対策
①
学童保育で障がい児保育を専門に行っている学童保育所に市として支援すること。
②
函館市は保育分野での公的役割・責任を重視し、今あるすべての保育園を民営化するのでなく、公立保育園の存続を進めること。
③
子ども子育て支援新制度の実施に伴い、今ある保育制度を後退させず、函館市の公的責任を十分果たせるよう努力すること。
④
条例化に伴い学童保育の市としての責任がより増加したと思われます。希望者全員が通うことのできるよう市の制度として保育料の減免措置を設けること。
⑤
新しい制度のもと学童保育所の施設の充実、指導員の労働環境の整備に努力すること。
⑥
子ども権利条約の趣旨を生かし、函館子ども白書を参考にするとともに、市民の意見を十分に取り入れて(仮称)子ども条例を制定すること。
⑦
計画されている福祉コミュニティーエリア構想での、地域包括ケアについては、函館市が積極的な役割を果たし、幅広い市民の要望を十分反映させること。
⑧
子どもの医療費助成については、高校生まで完全無料化すること。少なくとも就学前までは無料とすること。同時に国へ働きかけること。
11 教育問題
①
高騰する学校教材費の自己負担を軽減させる施策について検討すること。
②
値上げされた学校給食費は保護者の重い負担となっています。全国でも進められている給食費の無料化について具体的に検討すること。
③
学校給食の調理場は、単独校方式が優れている点は明らかです。あたたかくておいしい給食をめざし、特に学校再編計画の中で単独校方式の導入を検討すること。
④
最低限でも、調理場のある学校には必ず栄養教諭を配置するよう努力すること。
⑤
教育の一環としてある食育を学校教育の中で充実させるために、不十分な栄養教諭配置の北海道基準の見直しを北海道に求めること。
⑥
利用不十分な現存の奨学金貸付制度を、増額するなど利用しやすい制度に見直すと同時に、世界では当たり前となっている給付型奨学金制度についても、先進自治体に学び導入を検討すること。
⑦
中学校での自衛隊への職場体験については再検討すること。
12、高齢者障がい者対策
①
暮らしていくうえでなくてはならない制度、障がい1級の方のタクシーチケットを減らすなどの見直しを行わないこと。
②
第6期介護保険事業計画においてこれ以上の介護保険料を値上げさせないこと。また減免制度の導入、高齢者に対する支援等充実させるよう努力すること。
③
公共交通の高齢者や障がい者に対する交通料金の助成事業について、3年間の実績を明らかにし、市民の意見を十分反映させ制度改善に取り組むこと。
④
福祉除排雪の条件の拡大とボランティアの導入を具体化すること。
⑤
人工内耳の体外機器の予備や買い換え費用に市から助成すること。
13、平和問題
①
戦後被ばく70年の年に相応しく核兵器廃絶を求める署名コーナーを、期間限定でなく常設として設けること。
②
核兵器廃絶平和都市宣言30周年記念として例年より多彩に取り組んだ事業について、予算を確保しながら、今年度についても民間団体の協力を得ながら縮小することなく取り組むこと。
③
大間原発無期限凍結を進めている自治体にふさわしく、商業港である函館港に外国艦船の入港をさせないこと。
④
外国艦船の入港に当たっては非核神戸方式を適用すること。
14、市の機構や財政問題
①
上司の評価により給与に格差をつけ、職場の協調を破壊する人事評価制度について見直す事
②
市職員の給与に国公の行二や一職一級制を導入することは、職場に格差と差別をつくりだす制度なので導入しないこと。
③
雇用情勢の悪化や非正規労働者の拡大、ブラック企業対策など労働行政はかってなく拡充が求められています。組織を拡大・充実させ情勢にふさわしい体制とすること。